「小皇帝の涙」
お堅い内容かもしれないけど、ちょっと…書かずには居られません。
経済成長の荒波の中にある中国のお話
みんな、経済的な「勝ち組」になろうと必死です
「小皇帝」とは、たった一人のわが子のことを指します。
一人っ子政策で、親はそのたった一人のわが子に全てを託す
それはまあ分かるんですが…
子どもが壊れそうです
まさに親のエゴの犠牲です…あ、国家の成長の犠牲といったほうがいいのかな
エゴとは、裏を返せば子への愛情なんですよね
…少なくとも当の親たちは疑いもなく、そう思ってる。
まぁ言っちまえば大人の勝手、大人の事情、、かしら
中国内の全ての小学生がそう、というわけではないと思うけど
今回スポットをあてられた学校はその地域では上位に入る学校みたいで
子どもは帰宅するとすぐに宿題に取り掛かります、遊ぶ時間なんて与えません
そして親は10分ごとに様子を見に来る。
子どもが39度の熱を出そうが、親が一番心配なのは勉強に遅れてしまうことです。
子供達は言うんです、
「学校から早く帰って勉強しないとお母さんに叱られるの。遅くなると宿題が終わらなくて、睡眠時間が削られるの。」
…これが子どもの言うセリフですか〜
ある遠足の前の日
学校では、班分けをすることになりました
…すると、一人の子がのけ者になってしまいました。
どこの班も仲間に入れてくれません
先生は、「どうして○○君はこうなってしまうの?だれか理由を教えて。」
生徒達に尋ねました。
すると、一人の子が手を上げて言いました
「○○君は、勉強が出来ないからです!」…すると周りからもそうだそうだというような反応が。
その子は迷いもなく、きっぱりと自信ありげに答えたのですよ!
…ちょっとちょっと、そこまであからさまに…言っていい言葉なんですかおい!?
このきっぱり感…これって、国民性なの??
なんだかその時点で思いやりに欠ける気がするんですが…
そのあと先生は「遊ぶ時でも成績が関係あるんですか!?」と諭してはいましたが…もう子供達はそんな風に友達を見てしまっているのだ
人間の良し悪しが成績で決まる、というふうに。
普通の公立の小学校でそんな教育がされているんだからオドロキでした
小学校って、勉強だけでなく人間関係を通して色々な事を学ばなければいけませんよねえ?
この子供達は、どんな大人になっていくのだろう…
ひとりの女の子がいました
父親はここ数年の経済成長で大きく伸びた会社の社長さんで
母親は随分な教育ママ
その女の子は、毎日勉強勉強の母親のしつけに対してもう心に抱えきれなくなっていました。
その子は思い切って先生に手紙を書きました
…お母さんが、宿題を仕上げるのが遅いと言う、ほかの子と比べてああだこうだ言う、しまいには宿題が出来てないと孫の手で叩かれる・・私は一生懸命やっているのに。もっと私のことを分かってほしい。
…だいぶ溜め込んでパンク寸前状態だったのでしょうね…
そしてそんな風にSOSを発信してくる子が何人か出てきたのです
―そこで担任の先生は、親と子どもの話し合いの場を設けました。
クラスの子どもたちvs親たち
議題は「心の声」
子供達は一人ずつ、親に対して言いたい本音を話していきます
すると、かわいそうに…涙ながらに切実な思いを語る子がたくさんいました。
―子供達は言いました
「勉強が出来ないと叱られます」
「宿題で漢字を間違えると耳を強くつねるんです」
「自分達は十分頑張っているのに分かってくれない」…
そしてあの女の子も話しました
「―どうしておとなはわたしたちのこと分かってくれないの、どうして周りの子と比べるの!ひとりひとり違うんだからそれを分かってほしい!」
大粒の涙をぽろぽろ…。
あんな小さな子どもが、あんなに切実に訴えながら泣くなんて…信じられない光景でした
一方親サイド
「子どもを愛するからこそなのよ、親の気持ちを考えなさい」とか
「仕事に就いてリストラされない為なんだよ。それには今から頑張るしかないんだ!」等々…
思いをちょっとはやさしく受け止めてくれる親も居るだろうと思っていたけど…
子供達の気持ち、全否定。
リストラ等を経験して「子どもには同じことをさせたくない」と言う気持ちもわかります
でも、人の教育って、そんな一側面だけの平べったいものなんでしょうか…?
そりゃ勉強はもちろん将来のことを考えるのは大事です。ですが、小学生への教育の施し方なんでしょうかね?これが。
競争が激化するあまりのやりすぎ教育。
人口多すぎで日本どころじゃないのかな、勝つことで必死なのかな
子どもは、思っているよりずっと純です、心をはぐくむ時代です
そして、ただ親だけが不安を取り除ける存在だと思います。
それを分かってあげないと…
人として心の豊かな人間が居なくなるんじゃないかと本気で思いました。
この子達、どうなってしまうんだろう…と本気で心配です。。